ところで、皆さんは千葉市にはお城があるのをご存知だろうか。それも5階建ての見事なお城を。このお城と水準点は目と鼻の先、水準点からもお城を眺めることができ、お城の最上階に登ってみると真下に水準点のある公園が見える。残念ながら水準点を見つけることはできないが、まるでお城が水準点を見守っているようである。
しかしながら、このお城、4層5階建ての立派な天守閣になっているが、こんな天守閣は、まったく実在していなかったのである。中世の1126年に千葉常重が猪鼻山に建てたとされる千葉猪鼻城は、「館形式の中世式城郭であって、丘陵の突き出した部分を数ヶ筋の堀切で区画し、各曲輪に土塁をめぐらした程度のもの」であったといわれている。天守閣をもった城が、わが国にはじめて登場したのは近世の戦国時代である。
天守閣など存在しなかったのに、千葉市は、昭和42年に歴史学者などの強い批判や反対を無視して、強引に天守閣をつくったのであった。でも、本当に見事なお城である。
本当は実在しなかったお城に見守られている謎の水準点。この組み合わせにきっとあなたもミステリーな気分になれるでしょう。
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